渋谷の移ろい

先日渋谷の東急プラザに家族で食事に行った。エレベーターを降りたら、今年いっぱいで閉館するという掲示が目に飛び込んできた。それに関連して、お 客さんに思い出を書いてもらったカードを募集していて、そのうちいくつかを展示していた。みんな東急プラザへの思いを寄せていた。唐突なことに、寂しさと 同時に、寂寥とむなしさを感じつつ、オープン当初の学生時代から通っているといったり、親子三代で利用しているといったものに目を通すと、49年という歴 史と、そこに刻み込まれた人々の記憶というものにふっと思いをめぐらさずにはいられない。東急プラザ渋谷という50年選手の、低い天井高のフロアへの愛お しさがより一層こみあげてきた。
小さいころは家族で紀伊國屋書店に来たり、ロゴスキーで食事をしたりした。窓から見える首都高3号線越しのアコムの真っ赤な電飾の広告が印象に残っている。
中学、高校となんとなく渋谷という街から遠ざかっていたが、大学生になってまたお世話になるようになった。今でもよくなんとなくぶらぶらする。しかし、東急プラザには近くは通るものの中に入ることはほとんどなかった。なんとなく出かけることになったのも、なにか虫の知らせだったのかもしれない。

渋谷の街が激変していく。まあ、完全に再開発が終わるのは2027年とからしいから、オリンピックにはちょいと間に合わないところもあるだろうが、ある程度はオリンピックに合わせてくるであろう。
渋谷川のドブ川を川らしく戻して、その周りを緑道とショッピング街に再開発するプロジェクトもあるみたいだし(明治通り沿い、渋谷警察の向かいあたり。地 上げが進んでいる)、東急プラザも、東急東横店も、再開発となる。ヒカリエと合わせて、数年後には見違える姿になっているだろう。(小汚い渋谷駅も、こう 再開発の話が決まってしまうと愛おしく思えてしまう。)しかし、渋谷駅の再開発は始まっているのだから、その波が東急プラザにまでも当然押し寄せるであろ うことぐらい予測がついてもおかしくないのだが、うっかりしていた。